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「姫良、おれが何から生まれたと思ってんだ?」
「そうじゃなくて、ずっと独りだって云ってたから」
なんらかの理由で家族とは疎遠なのだろうと察していたのだが、いまの哲の云い方は良好な関係にあるように思えた。
「嘘は吐いてねぇ。おまえと会うまえ、一時期は音信不通だったし、いまはうまくいってるけど顔合わせるのは年に数える程度しかない。たぶん、おれは“家族”って場所が苦手なんだろうな」
似た者同士。
哲が何気なく云ったことにそんな言葉が浮かんだ。
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