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急ぐわけでもなく昼食を終わると、三人そろってミザロヂーを出た。
哲が車を止めている駐車場は貴刀ビルとミザロヂーの間にあり、程なく着いた。
「哲ちゃん、何時の飛行機?」
「飛行機じゃねぇ。このまま車で行く」
「車で? 北海道まで?」
「正真正銘の車オタクだな」
驚ききった姫良の横で紘斗はおもしろがった様で口を挟んだ。
「疑ってたのかよ」
「いや、呆れてる」
「おれにとっちゃ、褒め言葉だ」
哲は鼻で笑い、車に乗りこんだ。
車を覗きこむと、哲らしいというべきか、荷物の量はトランクで充分なようで、座席は前も後ろもいつもと変わりなくスカスカだ。
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