王都サルディアと森の同居人

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 どこからどこまでが境界線かなど決められていない。アリスは民家が並ぶ場所を歩き回り、教会を見付けた。 「おー、あったあった」  手紙にある印と同じマーク、聖マリーベルの教会だ。 「すいませーん!」  元気一杯で扉を開ける。中には四方が丸くなっている十字架が掲げられた演説壇があり、その手前には長椅子が並んでいた。  法衣をまとった神父と、水色の外套を羽織った栗色の髪の少女が居る。といってもアリスと同年代だろうか。 「はい、こんにちは。私はラルス神父と申します」 「初めまして、アリス・アルティンです!」  親が無いアリス、当然名前も何もなかった。与えてくれたのは彼女曰く師匠だ。 「あたしはフラちゃんです」  聞いてもいないのに割り込んできた、神父が苦笑する。image=502037583.jpg
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