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聖マリーベルの十字架を首から提げている、教区の信者なのだろう。
「宜しくね。あの、レヴィン神父から手紙を預かってます」
「そうでしたか、ありがとうございます。どうぞこちらでお休み下さい、お茶をお淹れしましょう」
「ラルス神父、あたしにもー」
「はい」
大人を大人と思わない態度、それににこやかに応対する神父。アリスは隣に座っているフラに話し掛ける。
「ねぇ、サルディアって行ったことあるかしら?」
私は初めて。彼女はこのわくわくを誰かにずーっと伝えたかった。
「あるわよ。サルディニア王国首都サルディア、大きな街よ」
王様はお爺ちゃんだ、ザクッとした感想を口にした。
「そうなんだ、フラは行ったことあるんだ。私、これから向かうのよ、楽しみー」
行程は今のペースで十日位、話でしか聞いたことがないので凡その目安だ。
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