155人が本棚に入れています
本棚に追加
フラはぼーっとしていたわけではない。サルディアの遺産や教会で調べた。
魔術師はその全てが学派に所属している。学派を代表する学長、それを推薦し学長は派閥を保護する為に国家に掛け合う。
「予測って?」
「魔術師登録試験は学派の新人勧誘の場よ。あたしが満足したらそれで良し、アリスは結果を出せばクリアってこと」
フラはきっと説明が苦手だ。言われても全く理解出来なかった。
「四学派よね。来るもの拒まずの南派以外に声が掛かるかは解らないけど頑張るわ!」
最高能力のみを派閥に組み入れる北派、議会の与野党が綱引きしている東西派、庶民が数を頼みにする南派がある。
それぞれが代表する学長の名前で派閥を立てているが、どこに所属しているかで待遇は大きく違ってくる。頑張るのはアリスの為になるのだ。
「んじゃ契約成立ね。期待してるわよアリス」
どんな期待かは割愛。真面目に生活している者に申し訳ない。
「うん。ありがとうフラ」
元はと言えばレヴィン神父が工面したお金だ、アリスがそれを知る日は来るのだろうか。
知らない方が互いに幸せ、もしそうならばそれが神のお導き。聖マリーベルはどうお考えだろう。
最初のコメントを投稿しよう!