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「止めてください、何かの間違いです! 彼女は普通の女性で、魔女なんかじゃない!」
必死に訴えかける。確かにリリスティアに虜にされてはいたが、それは魔法の効果でもなんでもない。
「うるさい、お前も同罪だ!」
警備兵が思いきりよく手にしていた槍を突き出した。穂先がアルトの背から顔を覗かせる。
「嘘っ、アルト?」
「リリス、ごめん。返事を聞けなくなったみたいだ」
口から血が逆流し、目は焦点があっていない。何故こうなったのか、後悔ばかりが渦巻く。
「勝手に殺すな! だが仕方ない、魔女も仕留めろ!」
隊長が魔法使いらにも命じる、各自が攻撃魔法を唱え始めた。
リリスティアはアルトを抱いて肩を震わせる。
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