第1章:はじまり

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さらに一週間後 僕たちの連勝はさすがにベスト4で止まり、泣いている先輩たちを見て僕たちももらい泣きした。 しかし時間は流れるもので、次の日からすぐ代変わりをし、僕たちが最上級生となって練習をするようになり、やっと違和感がなくなってきたなと感じる。 そして明日の初試合を控えた僕とイッタは、珍しくイッタの家に来ていた。 「いやーそれにしても最後がまさかキャプテンのエラーだなんてなー」 唯一先輩の最後の試合の後泣かなかったイッタは、枕に頭を乗せて寝転びながら、そんなことを言っている。 僕はそんなイッタの頭を軽く叩いた。 「なんだよ」 「なんとなくだよ」 僕はイッタのことが好きだし、付き合いの長い大切な友達だし、気も合うと思っている。 けれどこういう冷めたところだけは少し理解し難いのだ。 「実際そうだろー。あれ勝てた試合だぜ?監督なんか普段厳しいくせに最後だからって優しくしちゃってさ」 「キャプテンも謝ってたんだしいいだろ」 そういう問題じゃないんだよなー とイッタが呟いた時、部屋の扉が開いた。 「イッタ! おやつ持ってきたわよ!」 「うわっ! 母さん入る時はノックしろって言っただろうが」 「いいじゃないの。今日は彼女じゃなくて淳君なんだから」 「そんなこと言いながら彼女の時にも入ってきてただろうが!」 僕はその一連のやりとりを見ながら思わず吹き出してしまう。 この様子は後で日記に書こう。 「淳君、いつもイッタと仲良くしてくれてありがとね。この子妙に冷たいところがあってあんまり友達いないから」 「うるせぇ」 「今日もゆっくりしていってね」 おばさんはニコッと笑ってそう言うと、部屋から立ち去る。僕はイッタのお母さんとは思えない、いつも優しいおばさんが大好きだ。ほんと、なんでこんなおばさんからイッタが…… 「お前しばくぞ」 あれ? 考えてること読まれちゃった? 「お前の考えてることはなんとなくわかるから気を付けろよ。まぁいいけどな、この仕返しは明日してやる」 イッタはそう言うと不気味に笑った。 なんで明日なんだよ。 そしてそう言う僕にもなにも教えてはくれなかった。 まさかあんな仕返しがあるなんてーー
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