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さらに一週間後
僕たちの連勝はさすがにベスト4で止まり、泣いている先輩たちを見て僕たちももらい泣きした。
しかし時間は流れるもので、次の日からすぐ代変わりをし、僕たちが最上級生となって練習をするようになり、やっと違和感がなくなってきたなと感じる。
そして明日の初試合を控えた僕とイッタは、珍しくイッタの家に来ていた。
「いやーそれにしても最後がまさかキャプテンのエラーだなんてなー」
唯一先輩の最後の試合の後泣かなかったイッタは、枕に頭を乗せて寝転びながら、そんなことを言っている。
僕はそんなイッタの頭を軽く叩いた。
「なんだよ」
「なんとなくだよ」
僕はイッタのことが好きだし、付き合いの長い大切な友達だし、気も合うと思っている。
けれどこういう冷めたところだけは少し理解し難いのだ。
「実際そうだろー。あれ勝てた試合だぜ?監督なんか普段厳しいくせに最後だからって優しくしちゃってさ」
「キャプテンも謝ってたんだしいいだろ」
そういう問題じゃないんだよなー
とイッタが呟いた時、部屋の扉が開いた。
「イッタ! おやつ持ってきたわよ!」
「うわっ! 母さん入る時はノックしろって言っただろうが」
「いいじゃないの。今日は彼女じゃなくて淳君なんだから」
「そんなこと言いながら彼女の時にも入ってきてただろうが!」
僕はその一連のやりとりを見ながら思わず吹き出してしまう。
この様子は後で日記に書こう。
「淳君、いつもイッタと仲良くしてくれてありがとね。この子妙に冷たいところがあってあんまり友達いないから」
「うるせぇ」
「今日もゆっくりしていってね」
おばさんはニコッと笑ってそう言うと、部屋から立ち去る。僕はイッタのお母さんとは思えない、いつも優しいおばさんが大好きだ。ほんと、なんでこんなおばさんからイッタが……
「お前しばくぞ」
あれ? 考えてること読まれちゃった?
「お前の考えてることはなんとなくわかるから気を付けろよ。まぁいいけどな、この仕返しは明日してやる」
イッタはそう言うと不気味に笑った。
なんで明日なんだよ。
そしてそう言う僕にもなにも教えてはくれなかった。
まさかあんな仕返しがあるなんてーー
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