第2章 ―春②―

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それからというもの、俺たちは毎日屋上で話していた。 ……あ、これはさぼってるわけじゃなくて放課後だぞ。 サボり常習犯…だけどばれてないからノーカンだよ。 石宮とはいろんな話をした。 好きな食べ物 好きな歌手 好きな曲 好きな季節… 時々、歌もうたってくれる。 それを聴きながら風を感じるのは心地よかった。 今日も俺は少しドキドキしながら屋上の扉をあける。 『ギィ~……』 そして空が見えると同時に、石宮の澄んだ声が俺の名前を呼ぶ。 「虹!!待ってたよ!!」 「おお、待たせたな。」 そしてまた他愛ない話をしながら笑いあっていた。
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