第1章 ―春―

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ばれないようにこっそりと教室を抜け出し… 屋上へと向かった。 (…席が端っこだから助かるな…) そんなことを考えながら階段をのぼって行く。 『ギィ~…』 金属が錆びたような音をたてて屋上のドアを開ける。 ここは俺の特等席。 誰も来ないし、今の時期は日の光がちょうどいい具合に暖かいので気に入ってる。 ……つまり、さぼり常習犯ということだ。 ようはばれなければいいのだよ。 だか、今日は先約がいた。 (くそ… ついてねぇな今日は…) そう思い、踵を返そうとしたときに微かに歌が聞こえた。 俺は振り返って歌ってるやつの方を見た。
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