第1章 ―春―

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「えっほんと? ありがとう!!嬉しい…!」 と彼女は言った。 「そう… …よかったね?」 ……なんだよ、女子と話すの地味に苦手なんだよ。 …悪いか。 「あ!!自己紹介!!してないね! 私、石宮未来(イシミヤ ミク)。よろしくね!」 わー、話とんだー ………ていうか、え、これ俺が言うの? 石宮サンはあなたは?みたいな目で見つめてくる。 「…えっと、俺は山崎虹(ヤマザキ コウ)…です?」 「あはは、なんで疑問形なの?」 肩を震わせて笑う石宮サン。 「ごめん、悪気は…フフッ、ないんだけど…。ちょっと、ふはっ、ごめん…」 そう言って深呼吸をする。 (いや、笑いすぎだよな?) さっき会ったのにもう打ち解けている。 不思議な感じがした。
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