地下牢の遊戯

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扉の部分の格子を両手で掴む。 まず普通に開けてみたが、やはり鍵が掛かっていた。 力づくで何とかならないか─?と引っ張ったり、上下に動かしてみる。 だがガシャガシャ鳴るだけで、ビクともしない。 しかし──。 触ってみて分かったことは、格子の太さが思った以上に細いこと。 目の前にして、扉部分の建付けがずさんなこと。 これなら何とかなるかも知れない。 俺は踵を返し、ベッドに向かう。 そこでシーツを引っ張り取った。 このシーツを扉に結び、引っ張ってみようとしたのだ。 ──だが──。 「……鍵?」 シーツを捲った下に現れた、カビだらけのマット。 その上に黒い鍵が置かれていた。 手に取り見てみると、南京錠のような小さな鍵だった。
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