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……鍵?……何の?
──まさか?
不審に思いながらも、格子と格子の間から腕を出す。
そして扉の向こう側に掛けてある、鍵穴に鍵を挿してみた。
───カシャン。
小さな音と共に、ロックが解除された音。
ガシャンと鍵が、牢獄の先の廊下に落ちた。
そっと扉に触れてみると、キィ……と耳障りな音を立て開く。
……何だ?
余りの呆気なさに、肩の力が抜けてしまう。
犯人の目的は何なんだ…?
俺を狙いここに連れて来た癖に拘束も甘く、あまつ牢獄の鍵を置いておいて……。
何がしたい!?
俺を狙った理由は何なんだ!?
不審感が苛立ちに変わった瞬間だった。
「───い、嫌だ!嫌だぁぁ!!死にたくないー!!」
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