地下牢の遊戯

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ーーーー ─────スーと、微かな音が鳴る。 それは大きな振り子時計が動く音。 鉄製の扉の横にあった時計が、右に2個分動いた。 そこに現れたのは茶色い扉。 それは振り子時計と同じ高さ、幅の小さな扉であり、豪華な物が揃うこの部屋とは真逆の、質素な作りの物だった。 カチャリと扉が開き、そこから数人の人間が出てきた。 全身白い防護服に身を包み、防毒マスクを装着した人間が3人。 まるでSPのような、黒いスーツにサングラスを掛けた男が2人。 そして──"狐のお面" を付けた、セーラー服を着た女──。 女はゆっくりと、倒れる男に向かって歩き出す。 その後ろをスーツの男が付いて歩く。 横たわる体の前で足を止めると、お面の下でクスリと笑った。 「──草壁薫、おめでとう。地下牢でのゲームはクリアよ」 ーーーー
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