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頭の怪我もすぐ塞がり、あの日から4日が経った。
怪我の後遺症も、睡眠弾の影響もない。
なので病院に行くことはなかった。
──行ったところで…。
と言う思いもあったからだ。
頭の怪我はどうとでも言えるが、睡眠弾には説明が難しいだろう。
……何もないなら、それでいい。
そう思い今日に至る。
病院もそうだが、攫われたことは愛子に話をしなかった。
余計な心配を掛けたくないのと、危険な目に合わせたくないから。
それに何より、俺自身がよく分かっていないからだ。
4日経った今。
いくら考えも腑に落ちないことばかりが残る。
何故俺が選ばれ、ゲームに参加してもらうと言う手紙が届いたのか?
ゲームに参加させたのは、俺を殺すつもりではなかったのか?
殺すつもりなら、殺すタイミングはいくつもあったはずだ。
この家の中で気絶させられた時。応接室で眠らされた時。
それなのに何もなく、何もせずまた日常に俺を戻した。
──牢獄から脱出させ、フードの男と大男と戦わせることが目的だったのか?
それが "ゲーム内容" だった?
それは何の為─?
誰がこのゲームを仕組んだ─?
どれだけ考えても、何も分からない。
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