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このことを警察に話したところで、何もならないことも分かっていた。
だから自分なりに調べてもみたが、やはり何も分からないまま。
帰ってきて何もないことから、あれは悪い夢だったのだ─と。自分自身に思い込ませることにした。
──そう。
俺の身に何か起こったとしても、それは構わない。
牢獄から脱出しろと言うなら、脱出してやる。
戦いをしろと言うなら、戦ってやる。
──そして。
人を殺せと言うなら、殺してやる──。
それが愛子とお腹の中にいる子供の為ならば、俺は悪魔でも殺人鬼にでもなってやる。
彼女達は守る。
──必ず。
何かを睨み付けるように、前方の壁を見つめる。
誓いを胸に秘めると、頭から被っていたシャワーを止めた。
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