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朝食もそこそこに、早速向かうことになった。
礼節としてテレポートで相手先へ行くことはできないらしく、馬車での移動になった。
闇の貴族が治める領有地は、ここから馬車で5時間程かかる。
そのための早朝からの慌ただしさだったようだ。
馬車に乗ると「寝ていて良いですよ」と言われたが、なんだか緊張して眠れなかった。
(―闇の貴族、か・・・)
フォーリア国は、王族を頂点とし、その下に2侯爵5伯爵が続く。更にその下には数十の子爵男爵がいるらしいが、新興貴族や庶民と大して変わらぬ俸禄(ほうろく)しか得られない貧乏貴族もいて、大小様々だという。
つまり、確固たる歴史、権力、品格を持つのが2侯爵5伯爵なのだ。
闇の貴族は、ノワール侯爵。
つまり、2侯爵の一翼を担う名門だ。
5伯爵の一角であるフラム伯爵家の者としては、やっぱり気になる相手だった。
(侯爵家ってことは、階級的に伯爵家より上だろ。屋敷ってどんな感じなのかな。)
不謹慎とは思いつつも、好奇心は止められない。
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