第3章

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朝食もそこそこに、早速向かうことになった。 礼節としてテレポートで相手先へ行くことはできないらしく、馬車での移動になった。 闇の貴族が治める領有地は、ここから馬車で5時間程かかる。 そのための早朝からの慌ただしさだったようだ。 馬車に乗ると「寝ていて良いですよ」と言われたが、なんだか緊張して眠れなかった。 (―闇の貴族、か・・・) フォーリア国は、王族を頂点とし、その下に2侯爵5伯爵が続く。更にその下には数十の子爵男爵がいるらしいが、新興貴族や庶民と大して変わらぬ俸禄(ほうろく)しか得られない貧乏貴族もいて、大小様々だという。 つまり、確固たる歴史、権力、品格を持つのが2侯爵5伯爵なのだ。 闇の貴族は、ノワール侯爵。 つまり、2侯爵の一翼を担う名門だ。 5伯爵の一角であるフラム伯爵家の者としては、やっぱり気になる相手だった。 (侯爵家ってことは、階級的に伯爵家より上だろ。屋敷ってどんな感じなのかな。) 不謹慎とは思いつつも、好奇心は止められない。
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