第2章

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歴史書によれば、『黒き闇』は西へ進み、隣国までも消滅させたらしい。 その後、召喚された『勇者』によって、『黒き闇』は討ち払われた、と記されていた。 『勇者』が何なのかは分からないが、 (とりあえず、あの魔族は死んだってことだよな。) また夢の邪魔をされてはかなわない。 今生では絶対に魔族に遭遇しませんように!とサラは心から念じた。 (―何事もなければ、5歳から動ける幅が広がるはずだ。) 5歳になると、魔力判定の儀式がある(というのを、カーティスとアドニスの会話で知った)。 それまでは、魔力を暴走させる危険性があるため、魔法を使ってはいけない(正確に言えば、5歳未満の子に魔法を教えてはいけない)らしい。 (魔法が使えるようになれば、移動も楽になるよな。) 地理書で調べたところ、此処より南の地では、米や大豆が栽培されているらしい。 一刻も早く行ってゲットしたいところだが、そもそも今の自分は言葉を発することも料理することもできない。 悔しいが、知識の増やすことに注力するしかないな、とため息をついた。
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