第4章

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帰宅後、カーティスの授業を受けた。 既に読み書き算盤(そろばん)は完璧で、最近は流通や経済について習っている。 「―つまり、物流は主に馬によるものなのですね。テレポートの方が楽だし早いと思うのですが。」 「ええ、しかしテレポートで長距離跳べたり、多くの荷物を空間ボックスに入れられるのは、それなりの魔法量を持っている者に限られます。 そういった者は、もっと実入りの良い仕事に就くのがほとんどなのです。」 「ああ、成程・・・。」 (っつーことは、やっぱ食材は自力で捕ってくる方が確実そうだな・・・。) 「農産物はエクレール領・テッラ領のものが流通していますね、食料自給率が200%なので。 鉱石といえばノアール領、花はヴァン領が有名です。」 フンフン、と頷くサラ。 「此処、フラム領は牧畜ですね。フラム産の牛乳や肉は良質なことで知られています。」 それは重々、身に染みて知っている。 (食事といえば、肉やバターのオンパレードだもんな・・・。) そのお陰で、父や使用人たちはガッシリした体形なのだろうが、いかんせん和食を求めるサラの胃には重い。 (さっさと調味料作んねえと!) サラは決意を新たにした。
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