8724人が本棚に入れています
本棚に追加
/485ページ
帰宅後、カーティスの授業を受けた。
既に読み書き算盤(そろばん)は完璧で、最近は流通や経済について習っている。
「―つまり、物流は主に馬によるものなのですね。テレポートの方が楽だし早いと思うのですが。」
「ええ、しかしテレポートで長距離跳べたり、多くの荷物を空間ボックスに入れられるのは、それなりの魔法量を持っている者に限られます。
そういった者は、もっと実入りの良い仕事に就くのがほとんどなのです。」
「ああ、成程・・・。」
(っつーことは、やっぱ食材は自力で捕ってくる方が確実そうだな・・・。)
「農産物はエクレール領・テッラ領のものが流通していますね、食料自給率が200%なので。
鉱石といえばノアール領、花はヴァン領が有名です。」
フンフン、と頷くサラ。
「此処、フラム領は牧畜ですね。フラム産の牛乳や肉は良質なことで知られています。」
それは重々、身に染みて知っている。
(食事といえば、肉やバターのオンパレードだもんな・・・。)
そのお陰で、父や使用人たちはガッシリした体形なのだろうが、いかんせん和食を求めるサラの胃には重い。
(さっさと調味料作んねえと!)
サラは決意を新たにした。
最初のコメントを投稿しよう!