うまい棒も買えないけど、価値のあるもの。

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僕は、町中を歩いていたようだ。 人々が行き交う歩道の右寄りで、いったいいつ、足を止めたのか。 まわりの人の様子を見ると、どうやら僕の足は今しがた止まったところらしい。 こんな道端で、携帯電話で通話をしているでもなく、連れと話し込んでいる訳でもなく、ただぼうっと突っ立っていたら、いくら歩道の端といえども邪魔だろうし、不審に思う人は少なからずいるだろう。 一応さっき見回した範囲より少し狭い間隔で辺りを見てみるが、僕の連れだと思わしき人はいないようだ。 僕は一人で歩いていて、そして止まったんだろう。 ……そろそろ歩き出さないと、まわりの視線がこっちを向いてきた。 僕が立ち止まってからほんの少し時間が過ぎてしまったようだ。チラチラと見られている気がする。 かといって、僕はここがどこだかいまいちわからない。 そして僕は、いったいどこへ向かうところだったんだろう。 わからないけれど、歩道の右寄りを歩いていたという事は、進行方向はこのまま前進。 歩き出してみよう。 幸い、歩き方を忘れた訳ではないらしいから。
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