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無事に高校受験を終え、希望の学校へ進学した。あいつらとは学力に差があったから、希望校は別だったんだ。
やっと平和な日常が訪れる。
新たな期待に胸が弾んだ。
高校に入学してすぐ。
両親が首をつった。
高校から帰宅した僕は、リビングで足を宙に浮かせ、ピクリとも動かないふたりの姿を目の当たりにしたのだった。
両親の遺書には、息子が犯罪を犯させられていると、直談判した旨が書いてあった。僕が両親に相談をした次の日だった。
あの日、父親がどんな気持ちで僕を殴ったのか、今でもわからない。でも、仕方ないと諦めずに、自分が不利になる事もわかっていたのに、行動に移した父親は、最高に格好良かったんだと思えた。
母親は、ずっと僕の事を信じているからと、言っていた。守ってあげられなくてごめんねと、遺書には書いてあった。
僕はあいつらからの解放を手にしたが、唯一無二の両親を失った。
……そう、僕は絶望していたんだ。
我慢に我慢を重ねて、耐えて耐えて耐えれば、きっと未来は明るいと信じていたのに。
僕は走りながら空を見上げた。
真っ暗だった。
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