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7月の半ば、日射しが突き刺さる様な季節。
小汚いビルの日陰に俺はいた。
集合時間は11時、今は11時15分、待ち合わせの相手はまだこない。
電話をしても留守電。
『ちっ』
舌打ちの一つも出るのは当たり前だ。
昨日の夜、『お前、絶対遅刻すんなよな!』と言ったのはアイツの方なのに…
遅刻はマズイと思って9時30分には来てるのに…
熱中症で倒れそうだ…
ふと、見ると、目の前の信号を、足早に渡る二人組。
(それっぽいな…)
二人組は、俺の目の前を横切る。後ろを歩いてた背の小さいのが、俺を見て軽くお辞儀をする。俺もお辞儀を仕返す。
二人は案の定、そのビルの地下へと入って行く。
(オーラが見えねぇな…)
と、その時、俺の携帯が鳴りだした。突然だった為、相手も見ないで電話に出た。
『ハイ、もしもし』
『あ、コーちゃん?今どこ?』
待ち合わせの相手だ…イラっときた
『お前…』
『わかってるって、大丈夫だよ、時間はまだ余裕だから』
まったく反省の色が見えない…
『そーゆー問題じゃねーだろ!ネタ見せの前に合わせるっていったじゃねーかよ!』カッとなって怒鳴った。
『そんな怒んなよ~、ネタ見せだって、13時だぜ、すぐ行くから待ってろって』
それだけ言うと、一方的に電話を切った。
しょーがねー奴だな…
ホントにしょーがねーと思ったのは、12時50分に来たことだ。
『余裕、余裕』と言って笑顔で現れたそいつを、本気で目潰ししてやろうかと思った。
そいつは、『じゃあ行くべ』と言って、ビルの地下へ降りて行った。
大丈夫か?…正直不安だ…
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