内海葉月という女

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同じ人種だと思い、内海も頑張ってるから頑張ろうと思ってた。 もちろん、こっちの勝手だと言われればそれまでだ。 けれども、裏切られた様だった。 「江田、江田?話、聞いてる?」 「あ、何でしたっけ」 意識を戻すと、先輩の三浦慎司が珍しいものを見る様に、俺を見ていた。 「だーかーらー、次の会議にお前も出席するからな」 「本当ですか」 各課のトップが集まって、目玉となる商品について話し合う会議。 その会議で暫くメインとするお菓子が決まる、大事な会議だ。 「大事な話だからよく聞いとけっつったろ。簡単によそ見しやがって。なーにをそんな熱心に見てたんだ?」 先輩がさっきまで俺が目を向けていた方を覗き込む。 そこには、内海と、内海と仲の良い真木汐里がいた。 「あー、汐里ちゃん?きれーだよなぁ、確か同期だっけ。何、お前好みなの?」 「同期っすけど、別に好みじゃないっす。つーか彼氏いますよ」 「あーマジか。じゃあ隣の葉月ちゃん?あの子も、まあかわいいよなー」 あーゆーのが好みなんか、と言う先輩に、 違いますって、と笑いながら言う。
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