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「美智子さん、大丈夫?」
美智子の後ろを走っていた久美子が、倒れた美智子のとなりで膝をつき、美智子に話しかけた。
「美智子、大丈夫か?」
「美智子、立てよ!
おかっぱ少女に殺られるぞ!」
章と健太の悲鳴にも似た声が、美智子の後ろから聞こえてきた。
〈 逃げなくちゃ……。
私は早く立ち上がって、逃げなくちゃ…… 〉
美智子はそう思って立ち上がろうとしたが、足に力が入らず、立ち上がれない。
「キャァァァァ!
く、来るわ、おかっぱ少女が……。
美智子さん、早く立って!
早くしないと、捕まるわ!
逃げなくちゃ……。
私たちは、逃げなくちゃ……」
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