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おかっぱ少女は、まるで獰猛な肉食獣のように、久美子に迫り、
久美子の顔と自分の顔を十センチの距離まで近づけると、ピタリと止まった。
そしておかっぱ少女は、久美子の顔を見つめて、ニヤリと笑い、不気味な声で久美子に言った。
「私の憎しみは、消えない……。
私はこの学園が憎い!
私はこの町が憎い!」
「半沢範子さん、あなたの気持ちは、私もわかるわ。
私も、いじめられっ子だったの。
毎日、学校に行くのがイヤで、学校にいる人たちを憎んでいたの。
半沢範子さん、あなたも苦しんだかもしれないけれど、
理不尽な苦しみの中にいたのは、決してあなただけではない……。
だからもう、この学園の呪いを解いて欲しいの。
あなたにこの学園から、いなくなって欲しいの!」
久美子は怯えて震えながらも、おかっぱ少女に訴えた。
この学園の呪いを解くために……。
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