18人が本棚に入れています
本棚に追加
「私の大切な御守りはどこにあるの?」
おかっぱ少女はそう言って、首を横に向けると、下から久美子の顔をギロリとにらんだ。
久美子は、おかっぱ少女の憎しみに燃えた目を見ると、ゾッとして寒気を感じた。
〈 この女の子は、憎しみの塊……。
この子の憎しみをなくす言葉って、どこかにあるのかしら?
私たちの目的は、おかっぱ少女の呪いを解くこと。
でも、どうすれば、そんなことができるのだろう? 〉
「久美子、もう止めろ!
そいつにそれ以上、関わるな!
今すぐ息を止めるんだ!
そして逃げろ!
早く! 早く!」
章の叫び声を久美子が聞いたとき、久美子は正直、迷っていた。
自分にできることは、本当に逃げることだけなのだろうか?
最初のコメントを投稿しよう!