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「おかっぱ少女がいやがった。
みんな全力で逃げるぞ!
あいつに捕まったら殺されるぞ!」
章の緊迫感のある声が、教室の中に響いた。
「さぁ、逃げるぞ!」
章のその声に、美智子たちは、慌てて教室を飛び出した。
章は他の三人を誘導するように、先頭をきって廊下を走った。
美智子は章の背中を見つめ、走りながら、背後から憎しみの塊が近づいてくるのを感じていた。
助けて……。
お願いだから、私を救って……。
全力で走る美智子の頭の中に、呪われた少女の不気味な声が蘇った。
美智子はその言葉の意味を理解できずに、ただ恐ろしくて、全力で呪われた少女から逃げていた。
追いつかれたら、おかっぱ少女に殺されると思いながら……。
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