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章が階段を駆け下り、その後ろに美智子たち三人が続いた。
美智子は後ろを振り返る余裕もなく、自分の不安を振り払うために、全力で走った。
おかっぱ少女は、呪われた学園の地縛霊だから、学園の外には出られないという清人の話を信じて、
美智子は早くこの学園を抜け出すことだけを考えていた。
〈 死なずに生き延びていれば、きっとチャンスはやってくる。
未来をあきらめちゃダメよ。
チャンスはあるの。
私たちにも、必ず 〉
美智子たち全員が階段を駆け下りて、昇降口に向かって走ると、
美智子たちが向かうその先に、首が曲がった高校生のバケモノが見えた。
美智子はそのバケモノを見た瞬間、心臓が飛び跳ねた。
行く手をさえぎるバケモノ。
後方から迫るおかっぱ少女。
美智子は恐ろしくて、後ろを振り返った。
すると、おかっぱ少女がものすごい形相で、階段を駆け下りてきて、
美智子たちを追いかけるために、廊下を走り出した。
美智子は、おかっぱ少女に追いかけられてると思うと、恐ろしくてパニック状態になった。
前にも行けない。
後ろからは、おかっぱ少女が追いかけてくる。
どうすればいいのだろう?
どうすれば……。
どうすれば……。
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