悪夢からの脱出(2)

5/25
前へ
/36ページ
次へ
「ウオォォォォ!」 章が叫び声を上げて、高校生のバケモノに殴りかかった。 章と高校生のバケモノは、そのままもみ合いになり、二人は廊下に倒れ込んだ。 章は高校生のバケモノともみ合いながら、みんなに叫んだ。 「オレにかまわずに行け! 迷っている暇はない。 おかっぱ少女が迫ってる!」 美智子が章のその言葉に後ろを振り向くと、おかっぱ少女が、しだいに自分たちとの距離を詰め、追いかけてきている。 美智子は、倒れている章のとなりを胸が張り裂けそうな思いで走り抜けた。 〈 ごめん、章くん……。 私はあなたを救えない……。 ごめんね……。 本当にごめんね…… 〉
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加