12人が本棚に入れています
本棚に追加
俺と再会したときの反応から、もしかしたら俺を選ぶかもしれないとも思ったが……やはり、そううまくはいかなかったな」
伊波は、自嘲するように唇を歪め、
「――もう、ここには来ない方がいい」
しばらくして、いきなりそんなことを言った。
「それだけじゃない。家に帰ったら、おまえの携帯や、北城のオフィスの電話から、すぐに俺の番号を消すんだ」
「え? なんで急にそんなこと……」
「俺たちの戦いは終わった。ということは、これからそのことに関する記憶はどんどん薄れていくはずだ。おまえが、自分のまわりから俺に関わるものを全て消せば、そのうちにおまえも北城も、俺の存在そのものを忘れる」
「伊波のことを……忘れる?」
最初のコメントを投稿しよう!