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「えっ」
その言葉はあまりにもさりげなく言われたので、オレは意味を理解するのにかなり時間がかかってしまった。
「な……なぜって……」
そして、その意味がわかったとたん、一気に耳まで赤くなった。
今までは慧の話や、自分を見る伊波の目つきから、たぶんそうなんじゃないかなぁ……と、想像してただけだったんだけど。
まさかこのタイミングで、伊波の口から、そんなストレートな言葉が出てくるとは思わなかった。
オレは赤くなったまま口を開けたり閉じたりしていたが、伊波は窓の方を向いたままだったので、その顔は見られずにすんだ。
「ルネだけが、俺に遠慮することも気後れすることもなく、言いたいことを言ってきたからだ。だから……」
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