30 いつかの想い

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 オレは恥ずかしくなって、あいまいにうなずいた。  そして、気を取り直して今度こそちゃんと伊波に別れを言うと、そっと病室を出た。  本当は、その足で慧のマンションに行って、慧に伊波がどんな様子だったか話すつもりでいたんだけど。  いろんなことで何だか胸がいっぱいになってしまって、その日はメールで当たりさわりのないことだけ連絡して、そのまま自分のアパートに帰った。  伊波と話して、別に心変わりしたとかいうわけではもちろんないんだけど。でもオレにとって、慧とはまた違った意味で、伊波はやっぱり特別な存在なんだと改めて思った。
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