30 いつかの想い

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 慧は実際にそれを1人でちゃんとやっていたわけだけど……それはやっぱり、ディシオンの並外れた体力があったからこそだ。  体が普通に戻ったのなら、慧自身が言ってるとおり、仕事の量はセーブしないととてももたないと思う。  慧が今まで無理をしていたのは、前にお得意さんの有村さんが言ってたみたいに、やっぱりオレを……いざというとき、経済的に支えるためだったんだろうか。  オレのためにがむしゃらに働いて、体を鍛えて――こんなオレなんかのためにバカだなぁと思うと同時に、愛おしさがこみ上げてくる。 「大丈夫、これからはオレがちゃんと見てるから。慧が、自分で自分がどれくらい疲れてるかわかるようになるまで、無理しそうになったらオレが休めって言うからさ」
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