12人が本棚に入れています
本棚に追加
「……」
「ルネと一緒になる前から……俺はずっと思っていた。ルネには、他に好きな相手がいるんじゃないかとな。それが誰なのかは、今さら俺が言うまでもなく、おまえ自身が一番よくわかっているだろうが――でも結局、ルネは何も言わずに俺と暮らすことを選んだ。俺もルネを失いたくなかったから、そのことには一切触れなかった。ときどきルネは、誰かの姿を探すように、窓から森の奥の方を眺めていたが……俺はそれを、ただ黙って見ているしかなかった」
オレはそれを聞いて……やっぱりオレって、いつの時代でもダメなんだなぁと思った。
オレには部分的にしか前世の記憶がないから、ルネだったときに、自分が何を考えていたのかはわからない。
でも、もし、全部伊波の言うとおりだったとしたら。
最初のコメントを投稿しよう!