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これは人間に恋をした猫の王子の話。
猫の王子は、10年程前に一目惚れした人間の女の子を妃とするために、小学校から彼女と同じ学校に通ってきた。そしてついに高校卒業の日、猫の王子は女の子を教室に呼び出した。
「どうしたの?」
「今まで言ってなかったけど、あ、あなたのことがすきなのにゃ!」
猫の王子は必死に、何とか思いを言葉にした。彼女に伝わるように。
「え、ほんとに?すごく嬉しい。そんな風に想ってくれてたなんて。」
「ほ、ほんとうかにゃ?なら、付き合ってほしいにゃ!」
恥ずかしさからくる緊張が渦巻く中、面映い沈黙が続く。そして、沈黙が破られた。
「あなたの気持ちはすごく嬉しい。でも、ごめんなさい。私、猫アレルギーなの。あなたの近くにいると目が痒くてたまらないの。だからごめんね。」
猫の王子の初恋は終わった。
恋愛とはなんと儚いものだろう。
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