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夕陽が綺麗に照らし出す少女の黒髪と、ヴァイオリンの音色。
寒い中での、温かな心地の音色はまるで母親というものを思い出す。
そんな優しい気持ちのまま、私はまた足を進めた。
…綺麗、遠目だけどあの黒髪は彼女だ!
そして、いつものように彼女の学校での話や日常に起こった楽しい話を聞いた。
「あのね、それでね、次のコンクールに優勝したら家族でお祝いするの!」
どうやら、彼女は銀賞ではもの足りなく、ヴァイオリンのコンクールで優勝を目指しているようだ。
「おーい!」
…あれ?あれは…
遠くから声を掛けてくる男の子。
「あ!優斗もう来たの?じゃあまたね、サクラちゃん!」
そう行って、急いで走り去る彼女。
次会うのが楽しみだ。
私も彼女の優勝を願っていよう。
これが彼女と会った最後だった。
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