僕は自分が特別じゃないことに気づいてしまった

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
目覚めると僕は、自室のベッドで寝ていた。夢・・・?、しかし部屋には、嗅いだことのない加齢臭が、ほのかに漂っている。だが、42歳の僕だというオッサンはどこにもいなかった・・・。  僕は自分が特別じゃないことに気づいてしまった。僕はいつでもやればできる、と思い込んでるだけの凡人以下のダメ人間だってことに。本気をだせば、凄い才能を発揮できる、特別な人間じゃないってことに。  やればできると思っているなら、今やるべきだ。そう自分に言い聞かせる。物事は急には変わらない。少しずつコツコツと、その積み重ねが何かを変えていくんだ。  そのことに気づくまで、僕は大分、人よりも遠回りをしたみたいだ。42歳になって気づくようでは、もう取り返しがつかない。だから、未来の僕であるオッサンは、わざわざ過去の自分に会いに来たんだ。  僕は怠惰で怠け者の自分を変えるため、遅すぎる人生の一歩を踏み出した。誰にも言っていない夢である、作家になるために。最初に書く小説のタイトルは、「僕は自分が特別じゃないことに気づいた」、これに決まりだ。                                  ー完ー
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!