5.気づいてしまった気持ち

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おじさんの晩酌の相手をしながら、一緒にテレビを見る。 こういう家族みたいな時間を過ごすのは、いつぶりだろう。 そう思ったら、親父のことを思いだした。 「お、おじさん。うちの親父には。」 「ああ、今日はうちに泊めるって話しておいたから心配ないよ。」 「ありがとうございます。」 家にいても、たまにしか顔を合わせることがない。 だから、俺がいてもいなくても同じだろう。だからきっと。心配なんかしない。 ・・・わかってても、少し寂しい。 「要、お前も風呂、入れ。着替え、置いとくから。」 Tシャツにハーフパンツ姿の柊翔が、髪をタオルで拭きながら現れた。 「あ、はい。おじさん、お先にお風呂いただいちゃいますね。」 「おう、ゆっくり入っていいからな。」 ・・・今日は、おじさんの言葉に甘えてしまおう。
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