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「大丈夫だから」
なんとか、涙をこらえながら見上げると、柊翔が息をのんだ。
俺の顔って、そんなにひどい顔になってるのかな。慌てて、目をそらした。
「と、とりあえず、早く湯船につかれ。身体があったまれば、もう少し落ち着くだろ。」
なんだか、落ち着かなげにしゃべったかと思ったら、さっさと脱衣所から出て行った。
身体を洗い終えて、ゆっくり湯船につかる。
再び、同じように、あいつのことが思い浮かんでくると、抱きかかえるように腕を掴んでいた手に力が入る。
それでも、さっきみたいに足に力が入らなくなるほどではなく、少しだけ冷静に思い返すことができそうだった。
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