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俺が油断してたんだよ。そんなことはわかってる。
でも、信じてたんだ。
だってさ。
ずっと優しくしてくれてた。
何かあれば、話を聞いてくれた。
兄貴みたいに思ってたんだぜ。
それなのに。
『・・・ック、動くなっ!』
あいつは、俺の腕を縛り上げて、何かの布で口を覆って声が出ないようにした。
『ウー!ウウウウウー!』
何をされるのか、怖くて、声を出そうとしてるけど、布が声を奪う。
『オマッ、クソッ!』
逃げようともがいても、何度も捕まえられて。
あいつの唇が、身体のどこかに触れるたびに嫌悪感と吐き気が、俺の身体を蝕んでいく。
涙がボロボロと落ちていく。
涙が布にしみこんでいく。
それなの、あいつは。
ベルトに手をかけて、バックルを外そうとした。
『!!!ウ―!ウーーーーーーッ!!』
ガタッ!
閉じ込められていた場所・・・体育館そばにあった用具室のドアが開いた。
白い光の中に、一人の黒い影・・・。
『要(カナメ)!・・・お前、何してんだよっ!』
あ・・・ああ、柊翔(シュウト)。たすけ・・・て。
そして、俺の意識はは暗闇に消えた。
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