1.始まりの春

30/33
2471人が本棚に入れています
本棚に追加
/381ページ
なんとか最後のを一本を食べきった頃。鴻上さんたちの集団は、なんだか盛り上がっていて、それを邪魔するのは悪いなぁ、と思ってた。 チラッと見た瞬間に鴻上さんと視線が合った。 俺たちのテーブルが食べ終わってるのに気づいたみたいで、さっさと荷物を持って俺たちのテーブルに来た。 「食べ終わった?」 「・・・はい。」 喉元に戻って来そうな感触を感じながら、なんとか笑顔を貼りつける。 「じゃ、帰ろう。」 「え?」 「帰らないの?」 「いや、あっちはいいんですか?」 一応、気を使ってさっきまでいた集団に目をやると、こちらのことを気にせず盛り上がっていた。 さっき鴻上さんに声をかけてきた男子生徒以外は。
/381ページ

最初のコメントを投稿しよう!