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とても痛い視線を感じるのは、俺だけじゃないはず。隣に座っていたヤスも、その視線に気づいているのか、眉間にシワをよせている。
「あ、でも。」
「要。鞄もって。」
有無を言わせずに、俺の二の腕を持ち上げる。強引だけど、それに素直に身体が動いてしまうのは、この人だからかもしれない。
「ごめん、俺」
「ううん、気を付けてね。」
「佐合さんは任せろっ!」
むしろ、俺がいないほうがいいのか。
今更気が付く俺。
クスッと笑って"任せた!"と、ヤスと拳を重ねた。
「要。」
「あ、はい。」
鴻上さんは、"じゃあね。"と、ヤスたちに笑顔を送ると、そのまま俺をひっぱるように店を出た。
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