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「し・・・鴻上(コウガミ)さん・・・」
サラサラした黒髪に、切れ長の瞳。ニキビのない綺麗な白い肌をしたこの人は、男の俺でも見惚れてしまう。
「入学おめでとう。」
俺と同じ制服を着ているのに、すっかり着こなしているのは、彼がすでに3年生だから、というのもあるけれど。まるでモデルのような容貌をしているせいもあると思う。
そんな彼の笑顔を、ぼーっと見惚れるのは、俺ばかりではなく、近くを通りすぎていく女子や、その母親たちも同じ。
剣道場で聞く鋭い気合いの声とは違い、優しい声。
「あ、ありがとうございます。」
軽くお辞儀をすると、俺はクラスの掲示されている場所に向かう。
「要は、2組だったよ。」
「えっ?」
まさかついてきてるとは思わず、後ろからの声に驚いてしまう。
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