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「要、悪い」
申し訳なさそうに言いながら、隣の車両のほうを見ている。
「いいえ。・・・別によかったのに。」
そんなに気になるなら、俺は一人でもよかったのに。なんだか、ムッとしてしまってる俺。
「・・・俺がよくない。」
そう言うと、視線を窓の外を向けたけど・・・ガラス越しに見ているのは・・・俺?
「あいつ・・・祥吾は副将なんだよ。」
「・・・そうなんですか。」
「ああ。2年だけど、実力では断トツかな。」
"俺の次だけど"なんて茶化して言いながらも、なんだか、祥吾っていう人を自慢しているように聞こえる。
「・・・そうですか。」
俺にそれ以上、何が言える?
もう剣道から離れた俺に。
「・・・もう、やらないのか?」
「・・・・・・」
「俺は・・・もう一度、要の剣道、見たい。」
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