Act.3

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しかし事務所の前から出庫ターミナルへと向かう2台の大型トラックを眺めていた誠也が呟いた。 「ホントだ。不動さんのトラック、センスのいい飾り方してんなー。 義勇任侠とかめっちゃカッコいいですね」 「ああ、あれは不動君の座右の銘らしいよ」 「やっぱり。 なんかそういう雰囲気全開ですよねあの人」 春日さんと笑って話す誠也の横でキーボードを叩く。 カチャカチャと音を立てるペースに負けないくらい、再び目にした文字にやっぱり私の胸が激しく鼓動している。 不動 大和……090-****-**** 受付用紙に記入された文字は、あの人らしい力強さを醸し出していて思わず笑みを浮かべてしまった。 これも職権乱用ってのになるんだろうけれど……。 私の頭の中のメモリーにはしっかりとその数字の並びが刻みこまれる。 この番号に電話をすることなんて、きっとないのに。
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