Act.3

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1時間くらい経っただろうか。 今日の出荷のトラックを全て誘導を終え、事務所でぼんやりとしていると倉庫の方から誠也が走って戻って来る姿が目に入る。 そして彼は事務所のドアを開けるやいなや、開口一番その名を口にした。 「すげぇよ、不動さんの積み込みの早さ」 「え?」 「大型1車積み込むのにあの人、35分で終わった」 「…………」 誠也が興奮気味に話すのも無理はない。 うちの倉庫から出荷される荷物は、家庭用品を主とした雑貨と呼ばれる荷物でとても細かい。 だから初めてこの倉庫に積み込みに入ったドライバーさんだと、要領が分からないのもあり、平均1時間半とか掛かってしまうのだ。 それをたった35分で積み上げるなんて、よほど彼はタフなのだろうか?
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