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慌てて頭を下げてから真尋さんを事務所へと案内する。
だけど前を歩く彼は、完全に私の存在を無視したように思えた。
やっぱり彼は、私がお金なんて差し出した事を不愉快に思ったのだろう。
今更そんなことを反省しても遅いと思う自分と、それでもまた彼に再会出来たことを喜ぶ自分が混在する。
ついさっきまでは誠也と佐俣さんの事で、あんなにも動揺していたくせに。
私も誠也を責められるような人間じゃないなと思いながら失笑した。
真尋さんと一緒に事務所に入ると、大和さんは早速春日さんに頭を下げていた。
「おやっさん、仕事回してくださってありがとうございます。
おかげ様で相模まで空車で走らずに済みます」
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