Act.3

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ロッカーからバッグを取り出した私は、財布から3000円を取り出して誠也に歩み寄った。 「これ……出してもらった私の分」 突き出したお金に誠也はクスッと笑うと、その手をギュッと握りしめる。 そして掴んだ手を自分の口元に引き上げると、折り曲げた指の隙間を舌先でペロリと舐めた。 「ちょっ……」 「金は欲しくないけど、今すぐ遥香が欲しい」 「……何言ってん……」 「なんかさっき倉庫の方で聞いたけど変な噂が流れてるらしいね。 だけど俺、佐俣さんと付き合ってなんかいないから」 「……えっ?」 思わず聞き返した私の耳元で誠也は囁いた。 「遥香は俺と佐俣さん、どっちの言うことを信じる?」 「……それはっ……」
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