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「お父さん、まだ悩んでんの?」
「そりゃ悩むだろう。加賀美流通さんとの付き合いは長いんだ。
俺の後継で紹介する人材だっていい加減な考えじゃ決められないさ」
「どっちを選んだって私も大和もきっちり仕事するって何回言ったら信じてくれんの?」
春日さんと真尋さんのやり取りの間も、大和さんは表情ひとつ変える事なく、無言で親子の会話を見つめている。
だけど私はどうしても大和さんから視線を外すことが出来なくて。
スーツのポケットには、今朝あの田んぼ道で拾った彼のクロスペンダント。
これ……彼に渡さないと……。
そう頭では思うのに、春日さんや誠也がいる前で取り出すことが出来ずにいた。
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