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慌てて持ち上げた私の視界に映り込んだ、同じく感情のない瞳が真っ直ぐこちらに向けられていて息を飲んでしまった。
けれど誠也はその視線を外し椅子から立ち上がると、私の真横に来て大和さんに話しかけた。
「あのトラック、ドライバーさんの持ち込みなんですか?
それともどこかの会社のトラック?」
「……いえ」
一言だけ返事をした大和さんに、その隣から真尋さんがフォローするように口を開いた。
「あれは大和の持ち込み。だから持ってるトラックは1台だけでも、一応は運送会社の社長なんだよ。まぁ私もそういう意味では社長なんだけど」
「へぇ……不動さんってまだ若そうなのに凄いですね」
「…………」
どこか小馬鹿にしたような言い方なのに何も反論しない大和さんに、また真尋さんが口を挟む。
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