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「話せば長くなるんだけどな、この仕事を始めたきっかけは単純で俺も大和も最初は普通の運送屋で働いてたんだ。
だけどある事件があって、理不尽な理由で大和だけが解雇されて。頭に来た俺も大和と一緒にその運送屋辞めちゃったんだよ」
「理不尽な理由って何なんですか?」
「くだらねぇ事さ。
んで、どうせまた運転手やるなら思い切って一緒にトラック買うかって話になって、二人で全財産つぎ込んでコレ買っちゃった訳。
そしたら真尋も陽向も影響されて次々とって感じ?」
「へぇー、じゃあどうして4人ともアートトラックに目覚めたんです?」
誠也の質問には、一瞬宇梶さんがためらいを見せる。
そしてその瞳をさりげなく大和さんに向けた気がした。
そう言えばさっきも真尋さんがその件に触れようとした時、宇梶さんは阻止するかのように割り込んで来たような?
そう思った時、それまで寡黙を貫いていた大和さんが言葉を放つ。
それを聞いた瞬間から私の中で何かが変化し始めることになる────。
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